151026-高層ビル


どもども。

昨日から北風が吹くようになりました・・・冷えてきましたね。
北海道では木枯らし一号が吹いたとか?・・・そろそろ冬支度です。


さてさて、今日の内容は、かなり業界的であまり表に出てこない部分かもしれません。
あたくしもそんなに話さない内容ですが、いま、皆さんにも意識してもらいたいと思い、書いてみようと思います。


横浜のマンション傾斜問題。
毎日のニュースでも報じられ、知人たちにもあの"事件"について聞かれることも多いです。

少しそれますが・・・。
日本の建築に関しては、建築基準法という大黒柱があります。
付随した法律がいくつもありますが、これらの法律に則って建築は展開されています。

デザイン的なものもいろいろとあるわけですが、話題になっている建築構造関係だと、昭和56年の法改正により"新耐震"と呼ばれるものが登場します。現在もこの"昭和56年"というのは鍵となっています。
その後、まだ記憶に新しいかと思いますが、平成7年の阪神・淡路大震災が起こり、その2年後に"新・新耐震"というものができます。

現在の建築構造設計は、これが主体となっています。

さらに、平成17〜18年に話題となった耐震偽装事件。
結果、出現した"構造計算適合性判定制度(適判)"。

こうした変遷で、建築構造設計に関しては「これでもか!」というほどに厳しいことになりました。


なのに、今回の傾斜問題。

世間的には、誰に責任があるのか・・・というお得意のところに執着していますが、あたくし的には、建築業界の危機を感じています。
なぜなら、今回の事象が「あり得ない」と思うからです。


先程、建築構造設計の変遷を書きましたが、この流れがあって、基礎杭を支持層まで到達させない・・・という意識自体、どうかしています。

これは誰が判断したとかしないとかではなくて、その事実の恐ろしさをあまりにも知らなさすぎるということです。


こうした事態が起きる背景には、いまの住宅産業の裏側にも問題があるかもしれません。


「家が欲しい。」

そう思ったときにまずどうしますか?

広告・チラシ、住宅展示場、マンションモデルルーム、不動産屋、ハウスメーカー・・・そんなところでしょう。

気付かれる方もいるかもしれませんが、住宅供給は不動産業にほとんど傾倒してしまっているという事実です。
一見、不動産業も建築業も類似業種ですが、その本質は大きく違います。その差が今回の問題にもあったのかもしれません・・・建築ローコスト化、工期短縮、などなど。

とはいえ、やっていいこととまずいことはあります。


渦中の建物は、現在あるものを建替える・・・という話になっているみたいですが、今回のような大きな建物で基礎杭を使っている場合、まったく同じものをまったく同じ位置に建てるということはできません。
大きな基礎杭は、抜くことも壊すこともできないからです。地面から上の部分は壊せても、地下埋設物は埋めたままです・・・。次に建てるときは、この埋まったものから外れるように計画をします・・・。

あたくしもこのような建物を若い頃は手掛けていました。

大地がコンクリート化していく・・・。

それが心苦しくて、いまは、いらない建物や空間は建てない、環境の重要性、木を植えること・育てることの必要性を皆さんにお伝えしています。


平屋建てより2階建ての方が割安・・・そんなことを聞いたことがあるかもしれません。
実際、高層化は建築コストの低減が目的です。ただ、その設計は困難で、こうした問題が勃発したとき、大きなゴミ問題と環境問題を引き起こします。


これからは憧れでの建築は無意味かもしれません。
建主さん、家主さんになるであろう皆さん、家はあることも必要ですが、どうあるべきかを考えて建っていることも必要です。

今回の傾斜問題は、責任の問題よりも万人の建築に対する意識低下への警告かな・・・と思いました。

ぜひ一考していただきたいと思います。
RGでした。
<(__)>rg

ではでは。

++−+ : 木を感じる家づくり