141127-庭景


どもども。

日本家屋(建築)の醍醐味として、”景色”があると思います。
外から見ても周辺環境とマッチングしていて、中から外を見ればインパクトある自然の映像が飛び込んでくる・・・里山の家を進めている理由の一つです。

今月初めには、長野県飯山市の知人宅の古民家へ。

141127-城山荘

こちら。

そして昨日は、知人経由で紹介いただいた方が気になっている一宮の古民家へ。

141127-一宮古民家

こんな感じ。


流行り・・・といういい方がいいかはわかりませんが、古民家を求める方はまだまだ多いです。

ただ、古民家がほしい・・・といって購入しても、そのまま利用できる方はあまりいないようです。
それは、古民家は”憧れ色”が強く、現代の暮らしに関しては課題があるからだと考えています。

あたくしが考える大きな課題は三つ。

1.温熱環境:冬の寒さが際立っている
2.耐震性能:開放的ではあるが、壁代わりになるものが少ない
3.水廻り環境の違い:トイレの水洗化(上下水道の整備)、毎日の入浴など生活スタイルがかわっている

課題、といいましたが、古民家がこうなっているのにはきちんと理由があって、隙間風や風通しがよいのは家を構成している木材や土壁の防腐を考えており、開放的にすることでいかような行事・生活スタイルにも対応できる多様性を持たせているからです。水廻りは、防水上、基本的には”外部”という捉え方もあったので、家の中にないことが多いわけです。
実際、あたくしの計画手法としてはこのスタイルを踏まえています。さすがに水廻りは内部空間に組み込んでいますが、ワンルーム的な空間をどのように温熱環境を向上させていくか・・・と。

伝統的な空間には生まれた理由があります。現代の暮らしが昔とは違うのはわかっていますが、家が営まれている中の”風土”というのは無視できない存在です。なので、その空間を無視できないわけです。

古民家とは逆に現代の家が抱えている問題は、利用できない部屋が増えてしまうこと=家の寿命の短命化、です。家族構成がかわっても変化対応できない間取り・構造形態になっているため、家の一部が不能になってしまっています。

要するに、一長一短で、このどちらをも考えてリノベーションに当たるのが肝要に思っています。

141127-広く使える

話しは戻って、古民家の特徴である”開放空間”。これを温存しつつ、外皮断熱を向上させて冬の寒さ対策をするのが第一。構造の補強も考えつつ、あとは依頼主さんの要望が満足できるような空間構成する・・・となります。
また、古民家が建てられた当初の形態をとどめていることは少なく、ほとんどが増築されています。これもきちんとなされていればよいのですが、プラモデルでひょいとつけたような感じなので雨漏りがひどい・・・。こうした個所は取り除くのが建物を長持ちさせる秘訣のように思います。


諸外国では、築700〜800年の家がまだ存在し、その家に住むことに憧れている人が多いといいます。
古民家に住む・・・ということは、その家の寿命を延ばしてあげる行為でもあります。結局、人の営みが家の寿命を延ばしていることですので、これからの家を考える時、リノベーションによる家の甦り、ということはあたくし達も考えないといけませんね。

さてさて、古にチャレンジしますか!
RGでした。
<(__)>rg

ではでは。

++−+ : 木を感じる家づくり