120309-木材


どもども。

【起源】

3月は、”継承”がテーマです。「建築」も歴史を重ねるものの一つであると思います。その歴史を守るにあたって、単に建築様式を守るだけでなく、もっと基本的なところから考えなければならないと思っています。
まずは、なんで日本は木造が多いのか?

家を考えるとき、当たり前のように木造住宅をイメージすることが多いのではないでしょうか?単純に鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べてシンプルで安価にできることもあるかと思いますが、身近だから、ということが強いからではないでしょうか。
世界各国の歴史ある建築物を見てみると、地域によって使用されている材料もまちまちです。ヨーロッパでは石造が多いですし、アフリカなんかは日干し煉瓦と呼ばれるもの、南国ではヤシの木を使ったり、独特の材料が独特の形でつくられていますよね。「建築」の起源は、その場所にあるものを使う、ということにありました。
最初は洞窟で、何の技術もなく雨風をしのぐには最適だったんでしょう。そこから技術を要する生活に変わっていき、それに伴い建築技術も生まれたと考えられます。現代のように輸送という概念もなかったでしょうから全ては現地調達。いまでも山間に建てるものや資材搬入路がつくれないケースは現地調達する場合もあります。これが基本です。ということで、世界の各建築で違った材料になるのは身近に豊富にある材料が違うからです。

日本は海に囲まれた島国ですが、大きな森林面積も有しています。これにより木造建築が日本の基本となりました。使えば無くなる・・・ということもきちんとわかっていて、林業というものが生まれました。しかし、現在はこの林業が下降しています。住宅に使われる木材も外国産が多くなったり、また、木の成長と建築の速度が比例していないことも理由にあると思います。さらには林業に携わる人口も減り、良い木を育てる環境も減ってきたこともあります。起源・基本となる木造も危ぶまれてきています。
住宅購入で、安い、ということが言われ始めたのがいつ頃からかは定かではありませんが、家に対する価値観がだいぶ変わったのは間違いありません。適度な木造建築の需要と供給が日本の環境を守ってきたとも考えますが、バランスの崩れた開発や林業への無関心化は、木造の未来だけでなく今後の環境を脅かしそうだな〜・・・と心配になります。

木造だけがすべてではないと思います。あたくしも鉄骨造も鉄筋コンクリート造もそれぞれの魅力を持っていると思っていますし、ときにはデザインしてみたいと思っています。しかし、以前から「環境」というものが頭にあって、この木造というものの様々な可能性を探りたいと思い続けてきました。我々の<住>を支える木のある環境を考える上で、今日の話を気に留めておいていただければと思います。
材料があるから、家がつくれる。

次回は【維持】です。つくることもたいへんですが、維持することが建物には必要です。そのあたりを考えてみます。
RGでした。
<(__)>rg

ではでは。

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