110702-材料と材質


どもども。

【材料と材質】

7月は、”空間”、普段過ごしている部屋などの基本的な話になります。
先月までは、生活の場(家や部屋)を総体的にみる作業をしてみました。とても重要なことではありますが、とても難しい作業でもあります。難解なパズルをしていただいたように思いますが、今回からは少し身近な部分に接していきます。
初回は、”材料と材質”ということで、何気なく触れている、身近にある材料について見直してみます。

+ WORKs +
a.
一番気にいっている部屋(リビング、書斎、寝室、なんでもよいです)の、床平面図(1面)、壁立面図(4面)、天井平面図(1面)を描きます。今回は、縮尺を1:50にしてみます(実寸1cm=図面上50cm)。なるべく正確に描いてください。要領は、小学校の時にサイコロ状のものを方眼紙で作ったと思いますが、あんな感じです。繋がっていなくてもよいですが、順番は守ってください。
b.
aで作った図に、部屋の実際の材料(フローリング、板、クロス、など自分でわかるように)を書き入れます。できれば色をつけてみましょう。ここでは家具は無視します。単純に建物ができあがったときの図にしてみてください。
c.
bでできた図に対して、自分なりに改良点があればメモをしてください。(フローリングの色を薄くする、クロスより珪藻土壁がよい、など)
d.
cで改良点がある場合には、改良後の図も作ってみましょう。

いかがでしょう?
私たちの仕事では、床は”平面図”、壁は”展開図”、天井は”天井伏図”というもので表現します。これを描くことでまずビジュアル的な確認をします。そして材料。材料にもたくさんの素材があり、木質系、土砂石系、コンクリート系、金属系、タイル系、セラミック系、ガラス系、ビニル系、・・・などなど、選ぶのに困るほどです。選ぶときに大切なのは、それぞれの材料が持つ材質によって、与える影響や印象が違うこと、メンテナンスや強度が違うことをきちんと把握することです。
人が受ける印象に対しては、長い年月その材料に囲まれるわけですから、快適性などにすごく影響します。私は木の感触が好きなので、できれば部屋には嫌味にならない感じで木質材料を使いたいです。とても落ち着きます。印象については個人差がありますので、どれがいいのかということは難しい話です。材料の特性により、人体に影響を与えてしまうものもありますが、これも受ける側の個人差があります。なるべく「好み」がいいんではないでしょうか。
メンテナンスや強度に関しては、イニシャルコスト(初期の費用)とランニングコスト(メンテナンスの費用)の兼ね合いや使い方に影響されます。汎用されているクロスは万能ではなく、何年かすると貼替などのメンテナンスが必要になります。また湿気にも強くないので注意がいります。木質系は変形が出たりしますが、腐らない環境にあればメンテナンス次第で長持ちもします。コンクリートは強い強度がありますが、結露が出たりしますし、タイルなどは止水力抜群ですが、割れたり目地補修がいります。ちょっと悪いイメージしか持てないかもしれませんが、どんな材料も生き物みたいなものだということです。世話をしなければ傷んでしまいます。
一つ目の”印象”については、皆さんの感覚がモノを言います。二つ目の”材料の特性”については、私たちが勉強をするものでしょう。こうして皆さんと設計者とで作るのが”家”です。このワークショップでほんの少し設計の世界に触れていただいていますが、設計の全てを皆さんだけが、あるいは設計者だけがするものではありません。目に見えているものでないものにも目を向けてみましょう。

次回は、【アイテム】です。器があっても中身がなければあまり意味がありません。家具や雑貨について考えてみます。
次週は出張のため、次々週のアップになります。
RGでした。
<(__)>rg

ではでは。

tutu-tu ARCHI STUDIO